葉山通信
2011年7月・記

 今年はなんと漫画家デビューして、40周年です……!
 月日の経つのは早いもの……。一言で40年といっても、振り返ってみれば本当にいろんな事がありました。(ベタないい方ですが……笑)
 趣味で楽しくのんびりと漫画を描いていた頃、プロになってからの〆切死守の日々、その極端な変化になかなか心がついていかず落ち込んだデビュー当時、せめてもう少し描き込ませてくれと、原稿をうばい去っていく編集さんに泣きついたり(今となっては懐かしい……。うるっ)デビュー後2〜3年は描きたいものと描かねばならないものとのギャップに悩んだりもしました。
 自分は漫画で何を表現したいのか、暗中模索の日々、その突破口となったのが「SWAN−白鳥」連載開始です。頼もしいアシスタントさん達にもめぐまれ好きなものを好きなだけ描ける悦びに体力、知力、エネルギー全開! 心底楽しみながら描いていたように思います。
 漫画家として、人としての人生観、価値観が大きく変化し、成長した時期でもありました。
 その後、しばらく絵が描けなくなった事もあり、勉強しなおそうと海外に行き、Londonで絵本作家としての道が開けようとした矢先、やっぱり私は漫画が描きたい! と日本に出戻りしたものです。(なんでドラマティック……大笑)
 そして、デビュー40年後の今、再び、「SWAN−白鳥」を描かせていただいているなんて、永い間の読者の皆様の温かい応援があればこそ! 信じられないくらい幸せです!
 そんなわけで、今年は40周年記念として、これまで私を励まし辛いお仕事に文句も言わず、協力し続けてくれた歴代のアシスタントさん達を代表して、現アシさん達とアシさん祭を開催! 一日レストランで豪遊予定です。7月のある日、とあるホテルのレストラン、お隣の席で漫画のうんちくを楽しそーに語ってる一団がいたら、それはきっと私達ですよ……!?(笑)

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