葉山通信
2008年2月・記

 昨年、Mベジャール氏の訃報を聞いて、バレエ界のひとつの時代が終わったなぁ……と言葉にならない想いでいっぱいになりました。20代の私の人生にあれほどの衝撃と影響を与えてくれた彼の存在を私は生涯忘れることはないでしょう。
 当時、彼の作品に触発され、描くことができた、真澄の苦悩も、レオンの葛藤も、そしてルシィの死を目前にした絶叫も−すべてが私自身の人生のプロセスでした。ベジャール氏の表現し続けた普遍的テーマは、今後も永く後世に受け継がれていくと信じています。
 さて今回は皆さまにお知らせしたいことがあります
 『SWAN−白鳥−』愛蔵版の特別企画として、昨年の5月から各巻に描き下ろし「SWAN variation(スワン・ヴァリエーション)」を始めていますが、あとからあとから届く、山のような読者の「質問」と「希望」の嵐に嬉しい悲鳴をあげています。
 「ページの少ないヴァリエーションでほんとうにSWANのその後が読めるのか?」「まいあが生まれるまでのエピソードはどうなる!?」−−とかなり心配された方も多いようです。
 そんな皆さまの熱いラブコールを受けて、やはりこれはいつかキチンとした形で描こう! と決心しました。
 あきらめずに辛抱強くエールを送り続けてくださる皆さま、本当にありがとうございます。そういう訳なので「SWAN variation」を安心して楽しんでいただけたら嬉しいです。そして「SWAN モスクワ編」はできるだけ早いうちに描くつもりです。もうしばらく待っていてくださいね。
 そして「まいあ」もいよいよ舞台が日本に移って物語も佳境に入ってきました!さらなるまいあの成長を暖かく見守ってください。

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